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              さかあがりハリケーン
あらすじ

・・・だったら、楽しくするしかないでしょっ

その行動力で、周囲を巻き込んで状況を一変させる事から、
『台風』と呼ばれる問題児、主人公・皆川巧。


彼は数々の問題行動から、山奥にある神道学科の学校を追放され、
地元の武月学園に、幼なじみのゆかりの監視付きで編入することになった。
そして彼は、下見に行った放課後の教室で、一人の女性徒と出会う。


後日、正式に学園へと編入した巧。
そこで待っていたのは、ありがちな例の彼女との再開と、
『クラスの委員長』というおおよそ巧には相応しくない役職、
そして生徒の意見や要望を聞き入れる、クラスの目安箱の管理だった。


誰も手を付けなかったその目安箱を、持ち前の行動力と面白がりの性格で
次々とこなし、徐々に周囲に変化を与えて行く巧。
そんな彼を待っていたのは、漠然としたでも彼の好奇心をくすぐる、
目安箱に入れられた、ある一つの『お願い』だった。


それを機に、退屈だった学園生活は、
少しずつ変化へ向けて動き出していく―――。



引用(OHP)



共通シナリオ

面白いシナリオでした。


進学校、私学ならではの超スパルタ教育のなか、

「学園祭を初めて開催し学園に活気をとりもどす。」

がわかりやすく、計画、問題提起、対策、実行、の順で描写されていたと思います。

しかし、主人公は以前の学校で繰り広げてきた経歴が面白い割りに今学校での活動が甘い気がします。

「そっちの方が楽しいと思うから」を心情にしている巧ですが、いつも行き当たりばったりで、のー天気、

もう少し印象に残る個性が欲しかったです。台風と言うニックネームに名前負けしているのではないでしょうか。

行動が中途半端に常識内のため、中途半端なリアリティを感じてしまいます。

随所で登場するお笑いキャラ、綺羅泰徳は最初に期待させるテキストの割にこじんまりと纏まってしまっていて物足りなさを感じました。

ヒロイン一人一人の個性が強いため、多少色キャラであっても浮く事はないと思うのでもう少し巧との突拍子なイベントがあっても良かったと思います。

ヒロイン達は作中よく動いていて、皆好感が持てました。


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深咲涼シナリオ

いまひとつのシナリオでした。


出会いはインパクトがあり良いのですが行動と言動の不一致描写が目立ちます。

涼シナリオは後から強引に入れたような・・・

涼は学園祭で半ば強制的に学園祭実行副委員長にならされます、強制ですのでキャラ反応は消極的で妥当だと思います。

ファミリーレストランの集いにも彼女は参加しませんし、文字通り非協力的で作中内では扱いにくい人で固定化。

笑顔がなく、天邪鬼=彼女で語られて行くため感情移入はし難いです。

シナリオも最後まで奈都希にお株を奪われているようで綾瀬理事が何故かひょこひよこ顔を出します。

後々語られた ゆかり と 歩 との関係は予測可能なもので意外性がありません。ただの色物キャラに拍車がかかったような・・・

卒業式イベントでは銘参謀ぶりを発揮していますが ゆかり との関係、学園祭での誘惑イベント等急に変わる彼女の思考についていけません。

フイルムケースには通常ネガを入れておく物だと思うのですが・・・

テキストでは 涼 が不参加の分他のキャラクターに力が入っていて皆川吟次、綺羅金太郎、津島光、安野加代が魅力的に描写されていました。

エピローグでは良い変化をしているとは思うのですが、END後にはナンプレをしている彼女の印象が強いためそれしか浮かんでこないのが残念です。


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楠ハルシナリオ

面白いシナリオでした。


キャラ立ちが見事です。明るく、活発、行動力があり、いつも元気。

共通シナリオから個別シナリオまで、この事が一環しているテキストは見事の一言です。

伏線もきっちり回収できていますし、シナリオとしては文句なしではないでしょうか、

主人公が神主の家だと言う所も綺麗に利用されていて卒がないと思います。

主人公に好かれたい一心で他のヒロインの特徴を真似するハルにはつい笑ってしまいました。

初恋のエピソード、春休みの登校には若干テキスト不足を感じるものの、

その他ヒロインとサブキャラクター達が最後まで絡んでくる展開には脱帽です。

エピソードも余韻の残るもので、(私の場合)もう一度最初から読んでも充分楽しめると思います。

最初から最後まで変わることないラブラブ展開を楽しみたい人にお勧めのシナリオだと思います。


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守永ゆかりシナリオ

盛り上がりに欠けるシナリオでした。


主人公の幼馴染のお姉さん、生徒会で働く堅物と言う設定はいいのですが、イベントに山がなかったです。

生徒会で厳しい一方、毎朝朝食を作ってくれる、実家の巫女を休日毎にしてくれるなど、主人公の家にべったりな展開。

しかし、二人の関係はあくまでたんなる幼馴染と言い切ります。

設定が都合良すぎるわりに、言動が普通で、非日常な日常をごり押しされている気がします。

シナリオでは序盤から ゆかり教育 なる描写が頻繁にテキストのとっかかりとして使われます。

最初は笑えるのですが後半はワンパターンで飽きてきます。もう少しバリエーションが欲しかったです。

泰徳・巧・ゆかり が共通の幼馴染として付き合っていく展開は良いのですが、

三人が幼馴染から脱却しないまま最初から最後までいくのはどうなのでしょうか、

巧 と ゆかり は恋人になる前と後にテキスト状全く変化が無いように思います。

涼が最後の方でシナリオに絡んできますが、涼シナリオを先にやっていないと意味がわかりません。

相関関係がしっかりできていて伏線が回収されているのは見事だと思うのですが、

ゆかり側 からドーナツの話を振るなどして、ゆかり視点 からの 涼 を語って欲しかったです。

テキストとしては明るく楽しく書かれているのですが、笑える要素、シリアスな展開が少なく眠くなりました。


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大澤柚シナリオ

無難なシナリオでした。

柚の設定が甘いのが苦しい所です。最初から目立たない事が売りの司会キャラなので冒険はし辛かったと思いますが、

序盤の楠ハルとの掛け合いは読んでいて和むものであり、良かったと思います。

海でのシナリオもほのぼのとしていて良かったんではないでしょうか、

学園祭のイベントも良く作りこんであるシナリオだとは思います、欲を言えばドレス姿の一枚絵が欲しかった所でしょうか、

テキストも二人が付き合うまでと付き合い後で区別がきっちりつけられていて良かったと思います。

これだけ読むと良かった所づくしになる所なんですが、テキスト量が他シナリオに比べ大幅に少なかったです。

その後のエピローグもありませんし、テスト期間描写だけで二人のつながりをごり押ししたように感じました。

シナリオとしては起伏無く、ちょこっとした笑い有り、と無難にまとまっていたのではないでしょうか。


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綾瀬奈都希シナリオ

盛り上がりのないシナリオでした。

ユミ先輩の秘密、時計の針の特別演出、他のシナリオと比べかなり贔屓めに作られていたと思います。

皆川吟次、綺羅金太郎、津島光、綾瀬夏美のしこりも解け、物語は一気にカーテンコールまで、

シナリオ展開としては良いとは思うのですが、テキストが面白くありませんでした。

奈都希は一人で突っ走って空回するのが魅力なキャラだったはずですが、後半はアイデンティティが崩壊。

巧 がフォローしている事もあり、奈都希 絡みで笑える描写が殆どなかったです。

学園祭イベントは盛り上がる展開にはなっていますが、安いオカルト要素を入れたため感動はなし、

後半はお似合いの公認カップルとされていますが、本当の所どうなんでしょうね。

巧 と 奈都希 が急に接近した理由が従兄妹という事には萎えました。

学園祭を開くことへの苦労が一番描写されているシナリオなだけにコメディ化するのは困難だと思いますが、

もう少し笑えるテキスト&シリアスな描写が欲しかったです。


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さかあがりハリケーン総評

よくまとまっている作品だと思います。

細やかな伏線がすべて回収できているので読んだ後にもやもや感が残る事はなかったです。

一方で、テキストの言葉選びが軽く、一つ一つの台詞に重みが感じられません。

展開もころころ変わるので与えられた文を噛み砕く前に場面が終わっている事がしばしば、

個別毎の筋書きは異なっているものの、似通った展開が多いので後半は読むのがだれます。

台詞で気になったのですが、キャラクターは全員満遍なく口調が早いです。聞き取り難く感じました。

システムはキャラクター別のシステム音声を設定できるなど良く出来ていると思います。

絵は丁寧で、背景も良く書き込まれていたと思います。

音楽は25曲あるはずなんですが、同じ音楽がひっきりなしで流れるため単調に聞こえてしまいました。



                                 ▲ページトップへ

更新情報

2010/06/20
 『綾瀬奈都希シナリオ』の批評を追加。

 『逆上がりハリケーン』の総評を追加。

2010/06/20
 『大澤柚シナリオ』の批評を追加。

2010/06/19
 『守永ゆかりシナリオ』の批評を追加。

2010/06/18
 『楠ハルシナリオ』の批評を追加。

2010/06/17
 『深咲涼シナリオ』の批評を追加。

 『共通シナリオ』の批評を追加。

2010/06/11
 『さかあがりハリケーン』のプレイを開始。

仕様

ジャンル:ヒロイン巻き込まれ型ハリケーンADV

メーカー:戯画

発売日:2008/11/28

対応OS:win2000/XP/vista

必要環境
CPU:Pentium 500MHz以上
メモリ:64/128MB以上
HDD:2.5G以上

攻略可能ヒロイン数:5

平均プレイ時間:22時間

販売価格:9240円

発売中

評価点数

総合判定:73/100 

シナリオ:75/100
音楽  :65/100
テキスト:65/100
CG   :80/100
システム:80/100


メーカーリンク

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