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秋桜の空に (鉛筆) 秋桜の空にを批評だぞっっ。
あらすじ

季節は秋。紅葉の鮮やかな街。

主人公は、自覚はないがその無茶苦茶な言動で学園中から一目置かれる変わり者。

隣のお姉さん桜橋涼香や、愉快なクラスメートに囲まれ、ドタバタ喜劇な毎日を送っている。

秋の訪れと共に運ばれる新しい出会いや、深まっていくそれぞれの思い。


そして、始まる学園祭の準備期間で学校に泊まり込む日々。

主人公の奇抜な行動が巻き起こす騒動に少女達は振り回されっぱなしだ。

だが、そんな生活の中に見え隠れする彼の優しさに、やがて少女達は引かれていく。

それぞれ深いトラウマを持ちながらも日常を生きる5人の少女たち。

学園祭や体育祭を通じて、彼女たちの心の傷に触れ、

それに触発されるように主人公自身の哀しい過去もまた甦る。


切なさを感じさせる秋風の中で、

恋する主人公と少女たちはお互いの心の傷を癒し合っていく。

その恋の終わりにどのようなものが待ち受けているかも、知らずに……。


引用(OHP)



楠若菜シナリオ


設定上 重苦しい(暗い)展開になっていくのですが、

テキストが明るく纏まっているので読むペースが落ちると言う事はありませんでした。

 忠介・鞠音・すず姉・初子 彼らに囲まれて若菜と靖臣 は学園での幸せな日々を送ります。

物語中盤にさしかかると若菜に災難が降り(比喩)かかります。

立て続けに靖臣にも設定上避けられない難題(比喩)が降りかかります。

これからどうなるんだろうか・・・』と展開上一番引き付けられる場面だと思うのですが、

話を読み進めていっても、これらの問題は完全には解決されません。

後半この問題に対する描写も減り投げっぱなしな感じになって・・・。


難題の発現が 『二人の絆を確かめるきっかけになった』 のは納得いくのですが 

『難題が二人の絆を強くした』 と解釈し、展開していくのは大げさすぎるような気がしました。

若菜への災難からの後半の物語展開描写は扱いが軽く納得できなかったです。


読み終わり後は字足らず な印象が残りました。

大きな目だけで見ると描写不足以外に気になる点は無く、

サブキャラクターが生き生きと描写されていて物語に入りやすいシナリオだと思います。

後半、作中の言葉通り空気と(登場しなくなった)化したその他のキャラクター達。

彼らをもっと生かして、更に細かやかな描写をして頂きたかったです。

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小泉ひよりシナリオ


ひよりシナリオは中盤からの畳掛けがすごいですが、ココが見所という場面もなく。

唯一印象に残ったのが『くしゅう〜』という独特の台詞だけでした。

ひよりは登場時からこれでもかというぐらい、おっちょこちょいぶりをアピールしてきます、が、 はっきり言ってやりすぎだと感じました。(設定上鬱陶しくさせる事を狙っているのかもしれませんが)

このおっちょこちょいぶりの執拗(ねちねちした)描写はシナリオ後半まで延々と 続き、気になりだした私はかなり苦読をしました。

全体の物語の流れとして納得のいくものですが、それでも描写不足感が拭えませんでした。

後半にかけては小鹿とひよりの話がメインとなり進行・展開していきます。

メインの ひより より サブキャラクターの小鹿の方が魅力的なような・・・

ひより は21歳と言う設定ですが、年齢詐称と思う程に老けて感じました。

シナリオ上では彼女は「かなりの美人」と書かれていますね。

けれどシナリオ中での彼女の魅力描写は何故か「尻ばかり」です。尻が美人の基準なのでしょうか?

ラスト直前に靖臣が、ひよりのどこに惹かれ・追いかけるにいたったかのかを説明しますが、

ひよりの魅力が尻としか語られていない物語展開で、尻以外に惹かれ追いかけるに至った事を急に言われても 説得力が無く納得できない です。

もっと、説得力のある丁寧な描写をして頂きたかったです。


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佐久間晴姫シナリオ


昨今に共通する王道なシナリオでした。前半と後半にかなりギャップがあり、 靖臣と晴姫の関係にはもう頬が緩みっぱなしになりました。

前半はコメディタッチで展開され、後半はその流れのまま青春ストーリを演じてくれました

ご都合主義的な展開になりがちですが、靖臣への難題(比喩)が一つのアクセント(特徴)になり、今回は強く印象に残りました。

晴姫シナリオは前半と後半がとてもはっきりしていたように感じました。

「あること」が起点になり展開ががらりと変わるのですが、

後半のシナリオが余りにも印象的なため、起点の粗を考える気など全く起こりませんでした

描写は他のシナリオと同じく後半から終わりにかけて省略されるのですが、この物語りはこれで充分と言える内容だと思います。

より完成度を目指すなら、後半出てくるサブキャラが すずねえ だけなので他のキャラクターの登場シーンの追加でしょうか、 1・2回の台詞回しだけでもかなり印象が変わる気がしますが・・


ためになる という事はありませんが、後味がいいのです〜っと読むことが出来ます。息抜きに読むことがお勧めです。


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尼子崎初子シナリオ


前半から後半までの変化が少ないシナリオでした。

神社の娘である初子は他のヒロインと違い、靖臣の過去と立場上因果関係があり、それについて 少し触れながら進んでいきます。

前半から後半まで、初子と靖臣の関係が急激に変化すると言う事はありません、が、他のシナリオではなかった手法が 後半にかけて使われています。

後半に行く程に描写が増え、後半では若菜との会話も出てきます。

前半から後半まで殆ど雰囲気が変わらないので、 読んでいて疲れるなどはないですが、単調になりがち・だらけがでてきてしまい少し眠くなりました

しかし、話の流れは今までの中では一番納得のいけるものだと感じました

柵(しがらみ)から逃れる事の困難さ、天井を伝えられた時の悲しさ、

自然に関係が深まっていく描写等、なるべくしてなった。という感じでしょうか。

好き嫌いは別としてかなり作りこまれている物語ではないでしょうか。

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桜橋涼香シナリオ


すず姉シナリオの批評だぞっっっっっっっっ。のように『っ』が15字連続で使われる事もあるのが、 このシナリオの特徴です。

メインヒロインですが、彼女はお手伝いさん・若しくはお母さんのようなイメージがピッタリと当てはまる気がします

序盤の世話焼き描写と靖臣の扱いはとても印象的で、他シナリオでも彼女の事は十分に知る事が出来ると私は感じました。

兄妹でもしないような無茶をかなりごり押しもしますが、そこもこの物語に好感がもてました。靖臣と他キャラが作中で呆れている事がしばしばあり、笑えました

すずかは斜めに見ると変な人です、しかし、読み進めていくとかなり魅力的に見えてくるのが正直な所です。

靖臣に対してひたすら甘く、純粋なすずか、こんな女性いないよー、とわかっていても熱望してしまいます。
世の男性が 憧れ・惚れる のはこんな人ではないでしょうか。

しかし両手離しで納得できているわけではありません。

話の根幹に関わる重要な後半部分が説得力に欠け、若干質が落ちているように感じました。
具体的に言うと、フィナーレ(終幕)直前でのすずかの特別扱いです。

大学のキャンパスでの描写、記憶に関する描写、キャラクターの描写等、いままでのシナリオでは一切無かった事が付随され、 設定の根幹を曲げるほどにこの物語は特別扱いされています。

今までのキャラシナリオでは共通の筋が一切ズレていなかっただけに、 最後の無理やりなこじつけ描写・特別扱い は違和感を感じずにはいられませんでした。

ご都合主義にしてももう少し良い(筋の逸れない)締め方は無かったのでしょうか。残念です。

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おまけシナリオ


やりたい事をやっていらっしゃると感じました。

鞠音シナリオが来るのかな〜とも思いましたが。
こう来るとは、内容がはっちゃけていて私的にかなり面白かったです。



秋桜の空に総評


シナリオはほぼ整合性が取れていて、突拍子な所も無く無難に出来ています。
テキストで実際に笑える事が大きな強みであり、選択肢のセンス(面白味)も抜きん出ていると思います。

音楽は雰囲気に合っていて音質さえ比べなければ今でも全く聞き劣りする事はなかったです。

CGは少し古いため、質の判断基準からは落としますが、枚数がかなり少ないのは残念でした。

細かい所で気になる点はありますが大きく見るとやはり作品全体として面白かったです。

『古き良き時代での良作』は『現在でも良作』であり、

良い作品の魅力は決して色褪せることが無いという事が再確認できました。


                             ▲ページトップへ

更新情報

2007/10/3
 『桜橋涼香シナリオ』の批評を追加。

 『おまけシナリオ』の批評を追加。

 『総合点数・総評』の追加

2007/10/2
 『尼子崎初子シナリオ』の批評を追加。

2007/10/1
 『佐久間晴姫シナリオ』の批評を追加。

2007/9/30
 『小泉ひよりシナリオ』の批評を追加。

2007/9/29
 『楠若菜シナリオ』の批評を追加。

2007/9/28
 『秋桜の空に』のプレイを開始。
 プレイに際してイラストも追加。

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仕様

ジャンル:ノベルADV

メーカー:Marron

発売日:2001/7/27

対応OS:Win95/98/me

必要環境
CPU:Pentium 166MHz以上
メモリ:32MB以上
HDD:200MB以上

攻略可能ヒロイン数:5

平均プレイ時間:25時間

販売価格:8800円

生産終了(ロットアップ済み)

シナリオ:竹井10日

原画:岩館こう

評価点数

総合判定:76/100 

シナリオ:80/100 
音楽  :80/100 
テキスト:85/100 
CG   :60/100 
システム:/100 



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